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わたしたちについて
「人間が、複雑にからみあった総合的な存在である
母なる大地を、理解することなどできない」という
基本理念にもとづき、わたしたちはあらゆる処置
(化学的、伝統的、オーガニックまたはバイオダイ
ナミック的な)をせずに、栽培・生産を行っていま
す。それらのいわば治療的処置は、自然がどうある
か、どう変わるか、そのありのままの姿を受容し解
釈することのできない、人間の単なる介入的行為に
終わってしまうのです。複雑な宇宙の成り立ちを真
に理解するなどという、神々しい能力が、その宇宙
の一部分に過ぎないわたしたち人間に備わっている
はずがないのですから。人間は神には近づけない。
それにもかかわらず人間は、生産効率という名のも
とに母なる大地の絶妙なバランスに勝手に手直しを
施し、自然を崩壊するという、神の真似事をし続け
ているのです。
わたしたちの生産品はすべて、わたしたち自身の手
による労働で生みだされたものです。そのなかで
も、テロワールの深淵を最大限まで表現できたワイ
ン、オリーヴオイルは「Magma®」と名付けられま
す。これからのワインやオイルは、シチリア島のエ
トナ火山北斜面、標高650-930mに位置する、ごく限ら
れた土地から造られた、単一畑単一年のものです。
ワイン「Magma® Rosso」はわたしたちにとって最も貴
重な畑のネレッロ・マスカレーゼというブドウ品種
を。将来の「Magma® Bianco」は(白というよりは黄金
色を呈すはず)古代の白ブドウ品種。そして、オ
リーヴオイル「Magma®」には、サン・べェネデット
というオリーヴ品種で、完璧に熟し、一粒一粒厳選
した果実をもちいています。
現在ワイナリーの総面積は12ヘクタールで、その内
8.5ヘクタールが株仕立てのブドウ畑残りはオリー
ヴ、伝統的な果物、アーモンドや野菜などを栽培。
単一種栽培を避けるため、ブドウ畑には、野生の草
花やハーブが共生し、ブドウ樹の間にはさまざまな
果樹を植え、また、ミツバチの存在がより複雑なエ
コシステムの実現を助け、同時にブドウ樹を病害か
ら守る機能をしています。2003年と2004年に植えた新
しいブドウ畑は、台木を接木せず、わたしたちの一
番良い畑のプレフィロキセラのブドウ樹から剪定し
た枝を直接大地に植え付けています。また、畑の仕
立て方も伝統的な株仕立てを選び、風通しをさらに
よくするため株と株の間を広くとっています。この
仕立て方には、ブドウの株間で蕎麦や野菜などの他
の作物を栽培することを可能にし、それらの作物が
天然の肥料となり、石のごろごろした痩せた土壌を
肥沃にできるという利点もあります。
わたしたちは、あらゆる形態の耕転による除草、肥
料や農薬の使用を避けたいと考えています。後者に
ついては2004年や2005年といった困難な年にもこの目
標を達成できました。残念ながら、過剰な雨と湿度
にみまわれた2003,2004年には、生産を全てあきらめる
よりはと、例外的に一般的なボルドー液の散布を実
施しています。農薬使用を避けるために1年のサイ
クルのはじまりから、厳しい剪定により収量を制限
(1株あたりブドウ約300g)することに集中。その後
は、房の先端をカットしてブドウのまばらな熟し具
合を均一にしたり、なんらかの理由でダメージを受
けたブドウの粒や熟し切れなかった粒をひとつひと
つ取り除くなど、年間を通じてブドウの房の手入れ
をしていくことになります。ブドウの収穫は、完璧
に熟し、かつ熟し過ぎていない果実を得るため、ぎ
りぎりのところまで(10月中旬から11月中旬)待ち
ます。わたしたちのワインには、醸造からボトリン
グにいたるまで、いかなる過程においても、いかな
る種類の添加物(二酸化硫黄など)も、一切使用し
ていません。
収穫後セラーに運ばれたブドウたちは、デリケート
なプロセスを経てその姿を変えてゆく。細かく砕い
たエトナの溶岩石の中に埋めこまれた、古代の伝統
によるアンフォラ(テラコッタの壺、容量150-400
リットル)。その中で醗酵を開始。ブドウがこの宇
宙に存在するエネルギーにできる限り接触し、その
中に秘められたテロワールのアロマを最大限に抽出
するために、ブドウがワインという別の物質への変
化を完遂するまでの間(アルコール発酵、乳酸醗
酵)、わたしたちはブドウの皮や種、果汁をすべて
アンフォラの中に残します。このマセレーション
は、ワインや年によって異なりますが、約4-7ヶ月間
続きます(2003年ブドウ収穫分に関しては14ヶ月)。
その後、プレスされて生まれ変わったワインは、ボ
トリングの前の約18月間、さらなる休息とエボ
リューションのサイクルを遂げるため、再びアン
フォラへ戻ることになります。
オリーヴオイルというものが本物のパッションへ到
達してしまった、それも脅迫観念的な!金銭的にも
生産方法においても、全く妥協をしないオリーヴオ
イルを造るというアイデアは、オリーヴの栽培やオ
イル抽出など所々の生産過程において、細かな見直
しを余儀なくさせました。わたしたちは、オリーヴ
オイルに関してもワインと同様に、「Magma®」の品
質基準を用いています。サン・べェネデットという
非常に貴重な、より先鋭なテロワールの表現が可能
な品種だけを使用。その個性を最大限に引き出せる
条件のそろった畑を選び、手摘みで収穫。完璧に熟
した、ダメージを受けていない果実だけを、一粒一
粒選り分けます。その後、果実を傷つけないよう、
麻布を敷いた5kgのケースでそっと製油所へ。製油所
では、オリーヴそのものの香りを失うことのない伝
統的な石臼で挽き、ほかの残留オリーヴが混入しな
いように独自のディスクを使用したコールドプレス
機で抽出。こうして得られたオイルは、ガラスの容
器で最低2ヶ月かけてゆっくりと自然に不純物を沈
殿させた後、フィルターをかけずにボトリングされ
ます。この”ゴールド”の液体は、強烈にテロワー
ルアイデンティティを表現しており、それゆ
え“Magma®”と名付けられるのです。
わたしたちが自分たちの土地でも穀物を育てたいと
願うことは、パンが常に畑仕事に従事する人にとっ
て食事の基いであり、またシチリアが良質な硬質小
麦生産の中心地であったことを考えると、ひどく当
たり前のことのように感じます。地元で訪ね歩いた
結果、プレツィオーザとティミリアという、かつて
生産されていた2つの品種を探し当てましたが、わ
たしたちの耕作用馬のアストゥーリアが死んでし
まってから、これらの硬質小麦栽培は先送りになっ
てしまっています。一方で、山岳地帯に適し、栄養
価が非常に高く、不毛な土地を肥沃にする、蕎麦。
この穀物を、オリーヴやブドウ樹の間の段々畑で栽
培しています。母なる大地からひたすら奪い取るの
ではなく、むしろ尊重し共存しようとする、自給自
足的な農業がわたしたちの目標です。しかし、その
バランスのとれた状態にたどり着くには、まだしば
らくの時間がかかるでしょう。
品質の高い本質的なものを、自然を尊重しながら妥
協せずに造るということ、その品質を落とすことな
く継続的に生産し続けることは、ある程度コストの
かかることです。「Magma®」や「MunJebel®」の販売価
格をそのコストから割り出すと、そのどちらもが同
様に、破格に高いものとなってしまいました。そこ
で、「MunJebel®」の価格を下げ「Magma®」の価格を上
げることに決めました。テロワールアイデンティ
ティを最も強く表現している「Magma®」と、わたし
たちの暮らすエトナ火山、その地域の伝統と深い結
びつきを持ちながらも、ワイン愛好家にとって比較
的親しみやすい「MunJebel®」。ある意味、価格の社
会的政策ともいえます。
わたしたちは、より手軽でシンプルなワインー
「Rosso del Contadino」(農民の赤という意味)も生産
しています。ネレッロだけでなく、わたしたちの畑
にある全ての白ブドウ、黒ブドウ品種を混醸してお
り、まったく同様の哲学で造られているとはいえ、
「MunJebel®」や「Magma®」ほどのはげしい特徴はな
く、非常に飲みやすいワインとなっています。
最大限に純度の高い、本質的なものを得るため、安
定剤や酸化防止剤などを添加をせず、生産品自身が
その個性を自由に、偽りなく表現できるように努め
ています。そのため、わたしたちのワインは16℃以
下で保存、輸送する必要があります。また、できれ
ば、ボトルをあけた際にはデカンティングせず、ブ
ルゴーニュやバローロタイプのグラスに、ワイン貯
蔵用の部屋と同じ約12-16°Cの温度で注ぎ、開けたて
から香りの変化と発展を感じてください。わたした
ちのワインは、ワイン自身の持つ自然な力しか持ち
合わせていないため、何時間か空気にさらすと、黒
い溶岩石のような色へ変化していきます。でも、心
配しないで!その香りはより複雑なトーンへの変化
してゆくはずですから。
わたしたちのワイナリーを訪れたい方、質問のある
方は、どうか気軽にコンタクトを。
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